鼻出血

 鼻出血には大きく分けて、前鼻出血と後鼻出血があります。前鼻出血は文字通り鼻の比較的前方(入口付近)からでる鼻血で、キーゼルバッハ部(下図参照)からの出血がほとんどです。この部位は粘膜の表面を細い血管がたくさん走っているため、非常に出血しやすいのです。子供さんの鼻出血というと、大部分がこの部からの出血です。鼻をいじったり、かんだりした時に起こりやすく、一度出血すると、以後ちょっとした事でも(特に触ったりしなくても)繰り返しやすくなります。花粉症などのアレルギー性鼻炎などがある方に比較的多くみられる鼻出血です。しかし、後鼻出血に比べて、例外もありますが、一般に量も少なく、比較的心配の少ない鼻出血といえます。治療としては、出血点を電気や薬品で焼いたり、軟膏をぬったりします。

 一方、後鼻出血は、出血量も多く止血も困難な場合があります。高血圧など基礎疾患のある方に多く、一般に前鼻出血に比べ、年齢の高い方に多い傾向があります。

 その他、稀に血液の病気や腫瘍等が原因の時もあり、必要に応じてレントゲン、血液検査、ファイバースコピー検査なども行います。

 又、鼻出血が起こった時は、椅子に腰をかけ、鼻を指で両側よりおさえます。のどにまわった血液は口からそっと出すようにして下さい。しばらく様子をみても出血が止まらない場合や、出血量が多い場合は耳鼻咽喉科の受診が必要です。